毎日のコーヒーは大腸がん患者の生存率を改善する

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http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=50788&-lay=lay&-Find

カフェイン入りのコーヒーの定期的摂取が治療開始後の大腸がん患者の生存率を改善し、回復のチャンスを高めるようだ、という米国ダナファーバーがん研究所からの報告。

外科手術および化学療法の治療を受けているステージIIIの結腸がん患者は、1日4杯以上のレギュラーコーヒーの摂取(カフェイン約460mg)から大いなる利益を得るだろうという。彼らは、コーヒーを飲まない患者に比べて、がんの再発率が42%低く、がんもしくは別の原因で死亡するリスクが33%低かったという。

1日2-3杯のコーヒーにも中程度以上の利益があるという。しかし1杯ではだめなようだ。

研究チームは、約千名の患者に研究開始時、化学療法中、および1年後に再び、食事調査を行った。このプロスペクティブ(前向き)な研究デザインによって患者は何年もたってから当時のコーヒー摂取量を思い出す必要がなくなった。これは多くの観察研究に見られる潜在的なバイアスの原因となるからだという。

「我々は、コーヒー摂取者のがんの再発リスクが低下し、有為に生存率と治癒率が高まることを発見した」と主任研究者のチャールズ・フックス医師は語っている。大部分の再発は治療後5年以内に起こり、それ以後はまれだという。

しかし、研究チームでは、別の研究によって確認されるまでは、コーヒー摂取を勧める気はないという。「もしあなたがコーヒー愛好者で、結腸がんの治療を受けるのであれば、コーヒーをやめる必要はないだろう」とフックス医師は語っている。「でもあなたがコーヒーを飲まず、始めるべきかどうか迷っているなら、まず担当医師と相談すべきである。」

本研究は、コーヒー摂取と結腸がんの再発リスクについて検討した初めての研究であるという。またコーヒーに、閉経後の乳がん、黒色腫、肝がん、悪性前立腺がん等いくつかの種類のがんからの保護効果があるという最近増えつつある研究に新たに追加される知見だという。

今回のデータ解析において、研究チームは、このコーヒーの効果が完全にカフェインによるものであることを発見したという。ただし効果の理由は不明であり、更なる研究が必要である。一つの仮説としては、カフェイン摂取が身体のインスリン感受性を高め、それによって炎症反応が低下するからかもしれない、と研究チームは語っている。

出典は『臨床腫瘍学雑誌』。 (論文要旨)   

・LINK de DIETより抜粋 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=50788&-lay=lay&-Find