果糖の添加が2型糖尿病の主要因かも?

2015.2.9 EurekAlertより 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=47874&-lay=lay&-Find

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最近の研究は、糖分の添加、特にフルクトース(果糖)を含む成分の添加が、糖尿病や前糖尿病の主要な駆動力になっているかもしれないことを示唆しているという。全カロリーの25%までを糖分で摂ってもかまわないとする現行の食事ガイドラインを変えて、もっと劇的に糖分摂取を低下させることが必要だ、という報告。

研究チームによれば、果糖添加による過剰摂取は全代謝系とインスリン抵抗性に変化を与える。果糖を含まない他の糖分にはこのような強い影響は見られないという。実際いくつかの臨床試験において、グルコースあるいはでんぷんと比較して、等カロリーの果糖または砂糖は、空腹時インスリン濃度、空腹時血糖、砂糖摂取時のインスリンおよび血糖値を上昇させることが示唆されている。

「これは果糖をその構造に含む砂糖が他の炭水化物に比べてより有害であることを示唆している」とジニコラントニオ博士は語っている。

最近の臨床試験のデータは、グルコースしか含まないでんぷんを果糖を含む砂糖に置き換えることで、有意に有害な代謝効果が生まれることを示唆している。有害事象はインスリン抵抗性のわずかな上昇から果糖の摂取量に応じてより激烈なものに及ぶという。

これまでのエビデンスを総合すると、果糖や砂糖の添加は深刻な公衆衛生問題を引き起こす可能性がある、と著者らは述べている。

米国の食事ガイドラインとは異なり、WHOのガイドラインでは、糖分の摂取は総カロリーの10%以下、健康に最適なのは5%以下であるとしている。米国心臓協会も同様の推奨をしており、そこでは女性は1日24g以下、男性は36g以下となっている。

果物や野菜にも天然の果糖が多く含まれるが、現在までのエビデンスによれば、これらの摂取はヒトの健康に特に問題を起こさないという。実際果物と野菜の摂取は、糖尿病や心血管疾患に対して予防効果が示されている、とジニコラントニオ博士は語っている。

著者らは米国の食事ガイドラインを改定し、果糖や砂糖を添加した加工食品に代えて、加工度の低い果物と野菜の摂取を増やすように推奨すべきであるとしている。

出典は『メイヨ・クリニック紀要』。 (論文要旨)

・LINK de DIETより抜粋 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=47874&-lay=lay&-Find

果糖をブロックして脂肪肝を防ぐ

2014.6.4 EurekAlertより 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=44742&-lay=lay&-Find 

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肝臓病の中でも世界中で最も多い、アルコール性脂肪肝の予防法が動物実験で見つかった。これは、果糖を肝臓に運ぶ経路をブロックすることで、発症を防ぐものだという。米国ワシントン大学の研究。

非アルコール性脂肪肝の患者は、肥満や高血糖、濃く血圧などメタボリックシンドロームの症状を併せ持つことが多い。脂肪肝患者は世界で10億人もいると推定されている。

筆 頭著者のデボシュ氏は「脂肪肝は現在、研究の主要なトピックです。メタボリックシンドロームの原因については諸説ありますが、その中のひとつに、『インス リン抵抗性が肝臓で起こることがきっかけになる』というものがあります。そこで、肝臓が不健康な状態になるのを防ぐことができれば、症状全体の進行を止め ることができるのではと考えました。」と話している。

今回、実験でグルコース輸送体の一種「GLUT8」は大量の果糖を肝細胞に運んでいることがわかった。果糖は糖の一種で、果物に含まれているほか、ジュース類をはじめとする無数の加工食品に、高果糖コーンシロップとして使用されている。

果 糖が肝臓で処理され、中性脂肪となって肝臓に貯蔵されることはすでに知られている。この研究では、GLUT8がブロックされたマウスは、肝臓に入る果糖の 量が減少し、脂肪肝の発症を予防できる可能性が示された。また、このタイプのマウスは肝臓の脂肪の燃焼速度が普通のマウスより速かったとのことだ。

「果糖が肝臓に入るためには、GLUT8が必要なようです。マウスがこの『運び屋』を持たなければ、食事由来の脂肪肝は起こらないのです。」

さ らにこの研究では、全身の代謝の状態に性別による違いがあることを発見した。GLUT8を持たないオスのマウスに高果糖の食事を与えると、脂肪肝を発症し たものの全身の代謝状態は健康的だった。反対に、メスでは肝臓は健康的だったが身体全体をみるとメタボリックシンドロームの症状をより多く持っていたの だ。

果糖が肝臓に入れなければ末梢組織に行き、メスのマウスの体脂肪を増加させたと考えられる。それによって、血中の中性脂肪やコレステロールを増加させたようだ。

氏 は、「将来的に、GLUT8をターゲットにした治療法が開発されるかもしれないが、身体の他の部分にどのような影響を与えるかについてもそれ以上に検討が 必要でしょう。」としながら、過体重や肥満の小児患者には、果糖、とくにジュース類を避け、身体活動を増やす方法を見るけるようアドバイスしているとのこ とだ。

出典は『生物化学雑誌』。        

・LINK de DIETより抜粋 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=44742&-lay=lay&-Find