紫のジャガイモはがんの増殖を抑えるかも

2015.8.27 EurekAlertより 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=50865&-lay=lay&-Find

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紫のジャガイモに含まれる成分ががん幹細胞を殺傷しがんの伸展を止めるかもしれない、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。

紫のジャガイモは、ジャガイモの原産地南米アンデス地方に存在する近縁栽培種である。

研究チームは焼いた紫のジャガイモが、結腸がん腫瘍細胞の増殖をインビトロおよびマウスを用いた実験で抑制することを発見したという。

筆頭研究者のジャイラム・ヴァナマーラ准教授は、幹細胞を攻撃することががんに対抗する効果的な方法である、と述べている。「あなたはがんの幹細胞を雑草の根のようなものと考えれば良い。あなたは雑草を刈っても根が残っていればまた生えてくる。同様にがん幹細胞が残っている限りがんは増殖し伸展するのである。」

インビトロの実験で、焼いたジャガイモの抽出物は、がん幹細胞の死滅率を高め、がんの伸展を抑制することが明らかになった。そこで次に、結腸がんのマウスモデルを用いて、検証したところ、同様の効果が確認されたという。ヒトに換算すると、1日に中くらいのジャガイモなら2個、大きいものなら1個で効果が期待できるという。

紫のジャガイモには様々な成分が含まれており、それらが協同してがんの殺傷効果を発揮しているのだろう、と研究チームは推測している。成分としては、アントシアニン、クロロゲン酸、難消化性でんぷんなどが考えられるという。

「我々の初期の研究で、紫のジャガイモを含む様々なジャガイモに難消化性でんぷんが含まれており、腸内細菌の食料になっていることがわかっていた。細菌は酪酸のような有益な短鎖脂肪酸を生産してくれる」とヴァナマーラ准教授は述べている。「酪酸は腸の免疫機能を制御して、慢性炎症を抑え、それががん細胞を自滅へと追いやる助けになるのではないか。」

出典は『栄養生化学雑誌』。 (論文要旨) 

・LINK de DIETより抜粋 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=48152&-lay=lay&-Find