野菜をオリーブ油で炒めるのは、茹でるより健康的!?

2016.1.25 , EurekAlert より:
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地中海式ダイエットでよく使われるジャガイモ、カボチャ、トマト、ナスなどの野菜をエクストラバージンオリーブ油(EVOO)で炒めるとフェノール基が増加するようだ、というスペイン・グラナダ大学からの研究報告。

 

研究チームは、EVOOを用いた調理によって野菜の抗酸化活性とフェノール化合物が増加することを発見したという。これらはがん、糖尿病、加齢黄斑変性などの慢性変性性疾患の予防に有効だといわれている。

 

本研究の目的は、様々な調理法が地中海式ダイエットに用いられる野菜の抗酸化活性とフェノール化合物含量に与える影響を調べることであった。地中海式ダイエットはスペインでは一般的な食事であり、大量の野菜とEVOOを使うことが特徴のひとつである。これらはどちらも食事性フェノールの重要な供給源であり、これらの摂取が変性性疾患の予防に繋がっていると考えられるという。抗酸化物は食品の加工調理の過程で増えたり減ったりする。

 

研究チームは、120gのジャガイモ、カボチャ、トマト、ナスから種と皮を取り除き、種々の調理による変化を調べた。野菜は、EVOOで炒め、ソテーされるか、水で茹でるか、あるいはEVOOと水の混合液中で茹でられた。

 

調理後、水分、脂肪、乾燥重量、フェノール含量、抗酸化活性が測定された。これと平行して、研究チームは個々のフェノール化合物を高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。

 

その結果、EVOOでいためた野菜では、脂質含量が増加し、水分が低下したが、他の調理法ではこの現象は観察されなかった。

 

「生野菜のフェノール含量と比較した結果、調理法によって増えたり減ったりと異なる結果が得られた。油から熱移行によって野菜のフェノール含量は増加したが、水で茹でた場合にはそのような効果はみられなかった」と著者らのひとりは語っている。

 

この効果によって、生野菜には通常含まれない脂溶性の高いフェノール化合物がEVOOから野菜に移行したようだ。

 

「したがって、我々は野菜を炒めることは野菜のフェノール含量を最大限に増やすことを確認できた。ただし、油を吸収することによってエネルギー密度も上昇した」と著者らのひとりは語っている。

 

全ての調理法で、4種類の野菜の抗酸化活性は全て上昇したという。水で茹でても特に有意な減少は観察されなかったということである。

 

出典は『食品化学』。 (論文要旨)      

LINK de DIETより抜粋
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オリーブ油付地中海型食は乳がんリスクを低下

 2015.10.6 EurekAlertより  
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エクストラバージンのオリーブ油を追加した地中海型食生活を送るスペインの女性は、相対的に乳がんリスクが低いようだ、というスペイン・ナバラ大学からの研究報告。 

乳がんは、女性のがんによる死亡の筆頭原因であり、食事は乳がんリスクに対する変更可能なリスク因子と考えられている。 

地中海型食は元々オリーブ油を豊富に使い、ナッツ類などの植物性食品と魚介類が豊富である。研究チームはエクストラバージンオリーブ油(EVOO)あるいはナッツ類を補強した地中海型食と低脂肪食を比較した2つの介入研究を検討した。

2003年から2009年にかけて4,282名の60-80歳で心血管系疾患のリスクの高い女性が集められた。女性らはランダムにEVOO群(1,476名)とナッツ群(1,285名)と対照群(1,391名)に分けられた。

対象者は、EVOO(週1リットルを参加者家族に)またはミックスナッツ(1日30g、内訳はウォルナッツ15g、ヘーゼルナッツ7.5g、アーモンド15g)を与えられた。対照群には脂肪を減らすようにという食事指導が行われた。 

対象女性の平均年齢は、67.7歳、平均BMIは30.4、大部分が55歳前に更年期を迎えており、3%はホルモン置換療法を行っていた。平均5年近くの追跡調査によって、全体で35名の女性が新たに悪性乳がんと診断された。 

データ解析の結果、オリーブ油を補助された地中海型食群の女性においては、多変量調整ハザード比0.32と、対照群に比べて相対的な悪性乳がんのリスクが低いことが明らかになった。ナッツ類を補助された地中海型食群には、有意なリスクの低下は観察されなかった。 

著者らは、本研究の参加者を集めた時点では乳がんは主要なエンドポイントではなかったこと、また症例数も少なかったことを指摘しており、オリーブ油自体あるいはそれが地中海型食の文脈で使用されたことに効果があったかどうかを確定することはできないとしている。 

LINK de DIETより抜粋 
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