2014.6.4 EurekAlertより
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=44742&-lay=lay&-Find
肝臓病の中でも世界中で最も多い、アルコール性脂肪肝の予防法が動物実験で見つかった。これは、果糖を肝臓に運ぶ経路をブロックすることで、発症を防ぐものだという。米国ワシントン大学の研究。
非アルコール性脂肪肝の患者は、肥満や高血糖、濃く血圧などメタボリックシンドロームの症状を併せ持つことが多い。脂肪肝患者は世界で10億人もいると推定されている。
筆 頭著者のデボシュ氏は「脂肪肝は現在、研究の主要なトピックです。メタボリックシンドロームの原因については諸説ありますが、その中のひとつに、『インス リン抵抗性が肝臓で起こることがきっかけになる』というものがあります。そこで、肝臓が不健康な状態になるのを防ぐことができれば、症状全体の進行を止め ることができるのではと考えました。」と話している。
今回、実験でグルコース輸送体の一種「GLUT8」は大量の果糖を肝細胞に運んでいることがわかった。果糖は糖の一種で、果物に含まれているほか、ジュース類をはじめとする無数の加工食品に、高果糖コーンシロップとして使用されている。
果 糖が肝臓で処理され、中性脂肪となって肝臓に貯蔵されることはすでに知られている。この研究では、GLUT8がブロックされたマウスは、肝臓に入る果糖の 量が減少し、脂肪肝の発症を予防できる可能性が示された。また、このタイプのマウスは肝臓の脂肪の燃焼速度が普通のマウスより速かったとのことだ。
「果糖が肝臓に入るためには、GLUT8が必要なようです。マウスがこの『運び屋』を持たなければ、食事由来の脂肪肝は起こらないのです。」
さ らにこの研究では、全身の代謝の状態に性別による違いがあることを発見した。GLUT8を持たないオスのマウスに高果糖の食事を与えると、脂肪肝を発症し たものの全身の代謝状態は健康的だった。反対に、メスでは肝臓は健康的だったが身体全体をみるとメタボリックシンドロームの症状をより多く持っていたの だ。
果糖が肝臓に入れなければ末梢組織に行き、メスのマウスの体脂肪を増加させたと考えられる。それによって、血中の中性脂肪やコレステロールを増加させたようだ。
氏 は、「将来的に、GLUT8をターゲットにした治療法が開発されるかもしれないが、身体の他の部分にどのような影響を与えるかについてもそれ以上に検討が 必要でしょう。」としながら、過体重や肥満の小児患者には、果糖、とくにジュース類を避け、身体活動を増やす方法を見るけるようアドバイスしているとのこ とだ。
出典は『生物化学雑誌』。
・LINK de DIETより抜粋
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=44742&-lay=lay&-Find