2016.1.4 , EurekAlert より:
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=52528&-lay=lay&-Find
肥満の人々を救うための次の大きな進歩は、個人の遺伝子データを用いてカスタマイズされた食事や運動計画を立てることであろう、という米国テキサス大学からの研究報告。こうしたアプローチは「精密減量」と呼ばれているようだ。
『肥満学』誌に掲載された減量関連遺伝子の最新の報告には、専門家が現在知っている減量と体重増加に影響を及ぼす全ての因子が要約されている。これによって、遺伝子情報と非侵襲的にポータブル機器で収集したデータから簡単に個別化された減量指導ができるようになる日も遠くないだろうという。
「私は5年以内と考えている。人々が遺伝、行動その他洗練されたデータを用いて個別化された減量管理計画を立て始めるようになるのは」と主任研究者のモリー・ブレイ教授は語っている。
ブレイ教授によれば、患者は遺伝子配列決定のために唾液検体を採取し、それ以外の環境因子、食事、身体活動、ストレスなども自動化されたセンサーによって測定されるようになる。これらの情報をまとめて処理するコンピュータ・アルゴリズムが開発され、患者は自分の目指す体重を実現するための、その本人のベストの推奨法を教えられるようになる。
ゲノム配列決定技術のコストが劇的に低下しており、環境因子や行動をリアルタイムでモニターするポータブル機器も増えていることから、専門家であれば既に研究的にこれらを実施することが可能になっているという。現時点での課題は、これらのデータを分析するためのツールを開発することであるという。
「我々は短期の減量ならすでに人々を助けるいろいろな情報を知っている」とブレイ教授は言う。「だが長期の減量についてはそうでもない。我々は体重のリバウンド現象については、行動学的にも生物学的にもほとんど理解していない。」
複数の研究プロジェクトで、BMIの変動の半分は遺伝因子によるものであることが示唆されている。残りの半分は食事や身体活動を含めた環境因子である。そのため、個人がもつ遺伝因子の種類によっては、例えば運動による効果が出易い人と出難い人がいるといった場合が想定される。
「遺伝子が減量の成功の鍵を握っていると知ったら、だれも’そりゃ素敵だね、俺はただ運動したくないだけさ’とは言わないだろう」とブレイ教授は語っている。「彼らは’ああ、ありがとう。とうとう私が他の人よりもたくさん動かないと駄目なことを認識してくれる人が現れたんですね’と実際には言うだろう。そして、それから私が思うに、彼らはほんの少しその人々に感謝してやる気を高めるだろう。」
「我々は、食行動を突き動かすもの、脂肪細胞がどうやって形成されて、肥満によって代謝がどう変わるのかを理解する上で、大きな一歩を踏み出したところである」とブレイ教授は語っている。「このデータの恵みを生かした効果的な治療法をいよいよ生み出すときが来ている。」
出典は『肥満学』。 (論文要旨)
LINK de DIETより抜粋
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=52528&-lay=lay&-Find