2015.3.31 EurekAlertより
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=48658&-lay=lay&-Find
高カロリーの朝食とほどほどの夕食は、血糖値の危険なスパイク(急上昇)を抑えるのに有効である、というイスラエル・テルアビブ大学からの研究報告。
糖尿病患者にとって、食後の急激な血糖値の上昇は生命を脅かす脅威であり心血管系合併症の原因ともなる重要な問題である。
今回ダニエラ・ジャクボヴィッツ教授らの研究チームは、1日を通じての血糖値の急激な上昇を防止するための新しい方法について検討を行った。2型糖尿病の男性8名と女性10名(30-70歳)を対象に、ランダムに2群に分け、1週間ずつ「Bダイエット」と「Dダイエット」を実施した。
Bダイエットは、朝食2,946kj、昼食2,523kj、夕食858kjとし、Dダイエットは、朝食858kj、昼食2,523kj、夕食2,946kjとした。どちらのダイエットも、総摂取カロリーは同じであり、ただそれを異なる時間帯に摂取するところが異なるだけだった。カロリーの大きい食事の構成は、パン2枚、牛乳、ツナ、グラノラバー、スクランブルエッグ、ヨーグルト、シリアル、小さい食事の構成はスライスしたターキーブレスト、モッツァレラチーズ、サラダ、コーヒーであった。
参加者は、6日間自宅で各々の食事を摂り、7日目は病院に来て食事を摂った。そして朝食の直前、食後一定の間隔で検査用に採血された。血糖値、インスリン濃度、C-ペプチド、GLP-1などが測定された。2週間の間をおいて、参加者はもう1つのダイエットを同様に実施した。
その結果、BダイエットはDダイエットに比べて、食後血糖値が20%低下し、インスリン濃度、C-ペプチド、GLP-1は各々20%上昇したことが明らかになったという。
同じカロリーを摂取しているにもかかわらず、大きな朝食を摂った後の昼食の後の血糖値の上昇は平均23%抑えられた。
「高カロリーの朝食と低カロリーの夕食を摂ることで1日の食後血糖値が低下することが証明された。このメニューは、糖尿病患者にとって、グリセミックコントロールを改善し心血管合併症を減らすための強力な治療的アプローチとして使えるだろう」とジャクボウィッツ教授は語っている。「糖尿病患者には何を食べるべきかを言うだけでは十分ではない。より重要なことはどのようなスケジュールで食べるかなのかを強調することだ。」
出典は『糖尿病学』。 (論文要旨)
・LINK de DIETより抜粋
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=48658&-lay=lay&-Find