紅茶と柑橘類は卵巣がんリスクを下げる

2014.10.29 EurekAlertより 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=46576&-lay=lay&-Find

aw

フラボノールとフラバノン(どちらもフラボノイドの一種)を含む食品を多く摂取する女性は上皮性卵巣がんのリスクが有意に低下するようだ、という英国イーストアングリア大学と米国ハーバード大学からの報告。

研究チームは、米国の女性看護師を対象にした大規模疫学研究である看護師健康研究で、171,940名の女性(25-55歳)を対象に食習慣を4年毎に30年にわたって追跡調査した。平均16-22年の追跡期間中に723名が卵巣がんを発症したことが診察記録から明らかになった。

データ解析の結果、フラボノールが豊富に含まれる紅茶、赤ワイン、リンゴ、ブドウとフラバノンが豊富に含まれる柑橘類を多く摂取した女性は卵巣がんになりにくいことがわかったという。

フラボノイドの総摂取頻度の最も高かった群は、最も低かった群に対してハザード比は0.85であった。フラボノールとフラバノンの摂取頻度の最も高かった群は、最も低かった群に対して、ハザード比は各々0.76と0.79であった。

フラバノンは、特に悪性度の高い浸潤性の腫瘍に対して強い効果が認められ、非浸潤性の悪性度の腫瘍に対する比較HRは、0.68であった。他のフラボノイドのサブクラスには卵巣がんとの有意な関係は認められなかった。

食事レベルでの解析では、特に紅茶を毎日2杯飲む女性は、1杯以下の女性に比べて、上皮性卵巣がんリスクのハザード比は0.68であった。

本研究は、フラボノイドの主要な6つのサブクラスについて検討した現在までで最大規模の研究であるという。

「我々の研究は、異なる種類のフラボノイド類の食事による習慣的な摂取がヒトの卵巣がんのリスクにどのように影響するかを検討した初の大規模研究である」とエディン・キャシディ教授は語っている。

「我々はフラボノイドの二つのサブクラスであるフラボノールとフラバノンを豊富に含む食品を多量に消費する女性で上皮性卵巣がんのリスクが有意に低下することを示した。これらの物質の主要なソースは茶類と柑橘類およびそのジュースであり、容易に食事に含めることができるので、卵巣がんのリスクを下げたい人に勧めることができる。」

 

出典は『米国臨床栄養学雑誌』。(論文要旨)     

・LINK de DIETより抜粋 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=46576&-lay=lay&-Find

 

ヨーグルトで糖尿病知らず

2014.11.25 EurekAlertより 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=46894&-lay=lay&-Find

aa1

ヨーグルトを積極的に摂取する事によって2型糖尿病リスクを低下できる可能性があるようだ、というハーヴァード大学医学部の研究者による報告。健康的な食習慣の一環としてヨーグルトを取り入れることには十分な意味があるのかも知れない

2型糖尿病は身体が十分なインスリンを分泌することができない状態であったり、身体の細胞がインスリンに対する抵抗性を示す様になったりする際に発症する。また家族に発症している人がいたり、また不健康な生活習慣を有しているような場合には発症リスクが増大する。世界中でおよそ3億6千600万人の2型糖尿病罹患者がいると言われており、2030年までにはさらに増加して5億5千200万人まで罹患者が増えることが推定されている。つまり、糖尿病の増加は今や深刻な健康リスクとなっているのだ。

研究者らは健康関連専門職の生活習慣と医学的診療歴を3群に分けて前向き検討を行った。一つ目のデータセットとして健康関連専門職追跡研究(HFPS)のデータをもとに検討が行われた。本研究では米国内の51,529人の男性歯科医、薬剤師、獣医師、オステオパシー専門医、足治療医が対象とされていた。この集団の年齢構成は40~75歳である。さらに1976年に開始された看護師健康研究(NHS)に参加した30~55歳の121,700人の米国人女性看護師のデータ、また同様に1989年に開始された看護師健康研究2(NHS2)での25~42才の米人女性看護師116,671人のデータも検討に用いられた。

それぞれのコホート研究の最初において、被験者らはベースラインの健康状態を検討する為のアンケート調査に回答している、被験者らは2年おきに追跡され、追跡率は90%を超えている。また被験者らは糖尿病、心疾患、がんなどをすでにベースラインで罹患している場合には検討データから除外されるようになっている。また乳製品摂取についての情報が全く得られなかった被験者についても除外された。この様にして抽出された被験者は最初のHFPS研究から41,797人、NHS研究からは67,138人、NHS2研究からは85,884人が検討に加えられた。

研究者によれば、本研究はこの様に大規模な集団での検討が可能になっていることや追跡率が非常に高い集団であった事、生活習慣や食習慣に関して繰り返し検討できるようなデータが得られていることから、同種の研究の中でも信頼性の高い結論を導くことが可能となっている、と指摘する。

3群の総数から15,156例の2型糖尿病罹患症例が追跡期間中に発見された。研究者らは総乳製品摂取量が2型糖尿病雄罹患リスク増大には関連していないことを明らかにした。それぞれの乳製品による効果を検討するため、スキムミルク、チーズ、全乳、ヨーグルトなどの摂取状態によってさらに分析を行った。慢性疾患に関連するリスク因子であるBMIやその他の食事習慣因子を調整すると、ヨーグルトの摂取が2型糖尿病の発症リスク低減に有意に関連していることが分かったのだ。

研究者らはその後、本研究の成果とその他の2013年3月までに発表されている2型糖尿病と乳製品摂取の関連性について検討した研究をまとめて、メタアナリシスを行った。ここから、一日あたり28gのヨーグルト摂取が2型糖尿病リスクを18%低下させることが明らかになったのだ。

以前の研究では、乳製品中に含まれるカルシウム、マグネシウム、及び特定の脂肪酸が2型糖尿病のリスク低下に働きかける可能性が示唆されていた。ヨーグルトに含有されるプロバイオティック乳酸菌が脂質プロファイルと抗酸化性を2型糖尿病患者において改善することが示唆されており、この事が2型糖尿病の発症リスクそのものを低下することに繋がったのではないか、と研究者は推論している。ただし、この推論を実証するには、ランダム化された比較対照試験が必要である、とも指摘した。

本研究から、ヨーグルトの摂取が2型糖尿病リスクの低下に関連していること、総乳製品摂取が2型糖尿病リスク低下には関連していないことが明らかにされている。この結果だけを見ると、健康的な食習慣にヨーグルトを加えてみることを考慮する価値はありそうである。

出典は『BMC医学』。 (論文要旨)   

 

 LINK de DIETより抜粋 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=46894&-lay=lay&-Find