米国食品薬品局は冠動脈性心疾患を減らし毎年報告される多くの致命的な心臓発作防止するために-あらゆる食品に含まれる-人工トランス脂肪酸に対して今後3年以内に全面禁止を実施する計画である。| AP
Jun 17, 2015
ワシントン– マーガリンやクッキー、冷凍ピザなど、あらゆる食品に含まれる人工トランス脂肪酸は安全に食べられるものではなく、今後3年以内に食品から除去しなければならないと米国規制当局は発表した。
フロスティングやクラッカーなどによく使われている部分水素添加油脂(PHO)も、毎年何千人もの米国人に心臓病や致命的な心臓発作を引き起こす要因となっており、「概して安全ではない」物質であると、米国食品薬品局(FDA)は発表した。
「FDAの対応は人工トランス脂肪酸が主な原因であり、それはすべての米国人の心臓の健康に対する責任を表している。」とFDA局長代理のステファン・オストロフ氏は発表し、2013年にそれらを禁じるとした計画を追認した。
「この活動により、冠動脈性心疾患の数を減らし、毎年報告されている何千もの致命的な心臓発作の防止に繋がると期待している。」
部分水素添加油脂では、全く健康効果は得られず、米国医学研究所は以前にも安全な摂取レベルはないと位置づけている。
米国の食品製造業者は2006年より、缶詰や袋詰めされた商品の外装表示にはトランス脂肪酸に関する内容物情報を含めるように義務付けられている。
法律上は未だに、食品1人前当たりのトランス脂肪酸の量が0.5グラム以下であれば、含有量をゼロと表示することを認めているが、FDA監察官は法律改正に向けた取り組みを別途で進めており、監督機関によって特例が出ない限り、部分水素添加油脂は今後3年以内には、いかなる食品にも使用できなくなる。
FDAの報告によると、外装表示規定や食品業界の対応のおかげで、トランス脂肪酸の消費量はこれまでに78%も減少している。
「トランス脂肪酸の摂取量が大幅に減少しているとは言え、現在の摂取量でも一般の健康に対する関心は残ったままだ。」とFDAは述べている。
ニューヨークのマウント・シナイ・ベス・イスラエル病院の臨床栄養学科部長のレベッカ・ブレイク氏によると、現在の食品外装表示に関する法律は消費者を誤解させているという。
「商品の1人前にあたるトランス脂肪酸の量が0.5g以下なら、トランス脂肪フリーという表示が合法と認められているが、現実的にクッキーを1枚、ポテトフライなら5本だけを食べる人なんているのでしょうか。たいては1人前と設定されている量は増え、消費者は気づいている以上に食事をすることで、はるかに多くのトランス脂肪酸を摂取しているのです。」
食品製造業者は今後3年間で、「部分水素添加油脂を含まない商品を改良するか、あるいはFDAに部分水素添加油脂の特定使用の商人を申請しなければならない。」と関係機関は述べている。
2018年の6月半ばまでに部分水素添加油脂は「FDAの承認がない限り、食用品には含めてはならない」ことになる。
食料品製造協会は3年間の猶予を与えられたことに満足しており、「この期間が与えられたことで、各食料品メーカーは適切な代替品へ切り替えができるし、あるいは食品添加物の使用承認を求めることができる。」と言っている。
300余りの一流食品/飲料品会社を代表する食料品製造協会の広報担当は、近い内に独自で食品添加物申請をFDAに行う予定だAFP通信社に伝えた。
「提唱されている低レベルの部分水素添加油脂を使用して発生するトランス脂肪酸の量は、通常の食事に存在する自然発生のトランス脂肪酸と同じように安全であることが示されるだろう。」と食料品製造協会は延べた。
「ゼロと限りなくゼロに近いということの違いだと思う。」と食料品製造協会の広報担当、ロジャー・ロウ氏は言っているが、どの会社、あるいはどの食品が、今後も加工品に人工トランス脂肪酸を使用したいと思っているなどの詳細は開示してくれなかった。
FDAの処置は人工トランス脂肪酸を禁止するもので、乳製品や牛肉、ラム肉製品で自然発生のトランス脂肪酸は対象ではない。
消費者健康グループはFDAの決定を賞賛しており、人工トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やして、善玉コレステロールを下げることで人体に害を与えると言っている。
「最終的に人工トランス脂肪酸を食品供給から除去することは、より健康的な食品の提供、心臓発作や心臓病による死亡率の低下、および公共健康に対する大きな勝利を意味する。」と公益科学センターの執行役員マイケル・ジェイコブソン氏は述べている。
「本日、FDAによって出された最終決定は、食品関連会社に対して、電子レンジ用のポップコーンやビスケット、焼き商品、フロスティングやマーガリンなどに未だに使われている部分水素添加油脂の最後の一部を除去するのに十分な時間を与えたものだ。」