脳の健康を保つココア

2013.8.12 EurekAlertより
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-06/uog-mwc060313.php

高齢者が毎日飲むホットココアは、脳の血液循環を改善することにより、記憶力や思考力の維持に役立つかもしれない、という研究報告。

作業を完了させるためには脳のさまざまな領域が多くのエネルギーを必要としていることから、血液の供給量を増やすことは重要であると言われている。神経血管カップリング(NVC)と呼ばれる神経と血液循環の密接なつながりは、アルツハイマー病のような疾患にも関与している可能性があるという。

認知症ではない平均年齢73歳(72.9±5.4歳)の60人を対象に、30日間ホットココア(1日にカップ2杯)を飲み続けたときの効果について調べたところ、記憶テストや思考テストを受けているときの脳の血流量(超音波検査により測定)が試験開始前に正常だった被験者で変化は認められなかったが、血流量が不足していた18人の被験者では脳の作業領域の血流が8.3%改善していることが確かめられた。

またNVCはワーキングメモリ(作業記憶)の能力を反映すると言われている2-バック課題の成績や血流の評価に用いられるTMT-Bスコアと相関し、30日間のココア摂取によってNVCは改善すると示唆された。

血流に異常がなかった被験者では、記憶力のテスト中のTMT-Bスコアが試験の前後で大きく変化しなかったのに対し、試験前に血行障害が見られ、TMT-Bの結果が平均167秒だった被験者では、試験後にその結果が平均116秒となり、血流が改善しているとわかった。

MRI検査により、脳において血行障害がある被験者は限局的に損傷している脳の部位が多い傾向にあることも確認された。

抗酸化物質であるフラバノールが豊富なホットココアとその含有量が少ないホットココアで効果に違いは見られなかったことから、これらの有益な影響に抗酸化作用は関与していないと考察されている。

ココア、血流、認識力の関係性を証明するためにはさらなる調査が求められているが、今回の分析は将来の研究につながる有意義な一歩になっただろう、と研究者らは述べている。

LINK de DIETより抜粋
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=41095&-lay=lay&-Find

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