メラトニンで褐色脂肪を活性化してダイエット

2013.9.29 EurekAlertより
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=41726&-lay=lay&-Find

睡眠を促すといわれるメラトニンは、一般的に暗くなると分泌量が増大するホルモンである。メラトニンは果物や野菜、アーモンドなど様々な食品にも含有されている一般的な成分であるが、このメラトニンを積極的に摂取する事によって褐色細胞の出現を刺激することができ、結果として体重のコントロールに役立つ可能性がある、というスペイン・カルロス三世記念病院の研究者らによる研究。これまで、メラトニンが糖尿病や高脂血症の治療に有益である事が知られてきたが、そのメカニズムについて明らかにされた初めての研究である。

以前の研究では、メラトニンの肥満や高脂血症、高血圧や肥満に関連した2型糖尿病に対する効果についてザッカーラット(メタボリックシンドロームのモデルラット)を用いた検討が行われていた。最近の見解では、ラットに対する経時的なメラトニン摂取がコントロールラットに比べて褐色脂肪の出現を誘導するだけではなくて、その出現量を増大させるようであることも指摘されている。これらの実験では、褐色脂肪細胞が肥満で糖尿病状態のザッカーラットの鼠径部皮膚下にレンズ豆サイズで散在していることが確認されている。

メラトニンはヒトの体内で自己産生されるホルモンであり、夕刻になって暗くなるとともにその分泌量は一般的に増大する。勿論天然由来の物質でその安全性は薬理学的にも問題がない。つまり、肥満治療に対して応用することに何の問題もないのである。夜、暗くなったら寝て、またメラトニンが多い食物を摂取することによって体内のメラトニン量を増大させることで、体重のコントロールを可能にし、肥満や高脂血症に関連した疾患の予防を目指すことにも応用可能であるわけだ。

メラトニンを経時的に摂取する事で、寒冷環境曝露や運動誘導性の身体の発熱性反応を感度を高める効果があると考えられる。この事が肥満に対して有益な作用をもたらすというわけだ。そのカギとなるのが褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞の違いであって、褐色脂肪細胞のミトコンドリアにおけるUCP1タンパクの発現レベルがカロリー燃焼や発熱を誘導するというメカニズムなのである。

本研究による知見を元に、研究者らは今後の研究に対して資金援助を受けられる見込み、つまり本研究の有望性に注目が集まることを期待している。今後本研究をヒトに応用することによって、肥満に対抗する有益な手段を開発することが可能になるかもしれないのだ。

・LINK de DIETより抜粋
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=41726&-lay=lay&-Find