カリウムが豊富な食品は、高齢女性の脳卒中や死亡リスクを低くする

2014.9.10 EurekAlertより 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=45936&-lay=lay&-Find

a1カリウムが豊富な食品を食べる閉経後の女性は、あまり食べない女性よりも脳卒中になったり死亡する可能性が低いようだ。米国アルベルト・アインシュタイン医学校による研究。

シルビア・ワサーテイル-スモーラー名誉教授は「先行研究では、カリウムの消費で血圧が低下できることが示されている。しかし、 カリウム摂取で脳卒中や死亡を予防できるかどうかは明らかではなかった。本知見により、女性が果物や野菜を食べる別の理由ができた。果物や野菜はカリウム の良い摂取源であり、カリウムは閉経後の女性の脳卒中のリスクだけでなく、死亡も低下させる」と述べている。

研究チームは、50-79才 の閉経後の女性90,137名を平均で11年間調査した。参加者がどのくらいカリウムを摂取したのか、試験期間中に虚血性・出血性脳卒中などの脳卒中と なったか、もしくは死亡したかを調査した。本研究の参加者は研究開始時に脳卒中となったことがなく、食事による平均カリウム摂取量は1日に2,611 mgであった。

主な発見は下記の通り:
・ カリウムを最も多く食べている女性は、殆ど食べない女性よりも脳卒中となる可能性が12%低く、虚血性脳卒中となる可能性が16%低かった。
・ カリウムを最も多く食べている女性は、殆ど食べない女性よりも死亡する可能性が10%低かった。
・ 高血圧ではない女性でカリウムを最も多く食べた人は、日常の食事中にカリウムを殆ど食べない女性と比較し、虚血性脳卒中リスクが27%低く、全脳卒中タイプのリスクが21%低かった。
・ 高血圧症の女性でカリウムを最も多く食べた人は死亡リスクが低かったが、カリウム摂取で脳卒中リスクが低下することはなかった。

研 究チームは、高血圧になる前に食物カリウム摂取を高くすると、より有益であると示唆している。また、本研究ではカリウム摂取量と出血性脳卒中の関連性を示 すエビデンスは見られなかったとしている。これはおそらく、本研究における出血性脳卒中の症例が少なかったためであろう。

ワサーテイル- スモーラー名誉教授は「本知見は、女性がカリウムが豊富な食品をもっと食べる必要があることを示唆している。ジャンクフードにはカリウムはあまり含まれて いないだろう。カリウムの多い食品にはジャガイモ・サツマイモ・バナナ・白豆などがある。カリウムの摂取量を増やすことは、年配女性にとって良いことだ が、もともと血中カリウムが多い人にとっては心臓に危険である。摂取すべきカリウム量についての医師に確認する必要がある」と述べている。

出典は『脳卒中』。 (論文要旨)      

・LINK de DIETより抜粋 
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=45936&-lay=lay&-Find