沖縄の野菜紹介 ②島にんじん

前回に引き続き、沖縄の野菜のご紹介です。
今日ご紹介するのは「島にんじん」です。

島にんじんは、東洋系の品種で、黄色く、30~40センチ程の細長い形をしています。見かけとは裏腹に、沖縄の方言で「チデーグニ」=「黄色い大根」と呼ばれています。昔は日本全国で栽培されていたようですが、現在では沖縄でのみ作られています。

一般的に見られるオレンジの人参と比べて、甘味があり、柔らかく、香りが強いです。眼精疲労に効くというビタミンAを多く含んでおり、植物性の油で調理すると一層吸収率が良くなります。体を温める効果があるというカロテンも豊富なため、寒い時期には積極的に食べたい食材でしょう。他にもカルシウムや鉄分、抗酸化作用のあるリコピンも他のニンジンより多く含んでいます。

その栄養価から、沖縄では古くから薬膳料理として親しまれています。特に豚肉や他の野菜と煮込んだ、具だくさん汁物には欠かせない食材です。他にも、揚げ物や炒め物にも向いています。

島にんじんの旬は11月~4月です。それ以外の時期には、ほとんど出回らないので、スーパーで見つけたら、迷わず食べて欲しい食材です。

作・菅原研究所 田中友美