沖縄の野菜紹介 ③なーべーら~ (へちま)

すっかりと梅雨が明け、沖縄では今年も夏がスタートしました。夏の訪れはスーパーに陳列する野菜たちを見ても感じますね。沖縄、夏、野菜と言えば、ゴーヤーが挙げられますが、最近では沖縄だけでなく全国どこでも手に入れることができるようになったので、沖縄特有の食材という枠からは外れてきているような気がします。

今日、ご紹介するのは、ゴーヤーと肩を並べる程、沖縄では定番の夏野菜、『なーべーらー』です。なーべーらーとは、ヘチマ(糸瓜)のことです。

ヘチマと聞くと、何を思い浮かべますか?タワシでしょうか?それとも、化粧水でしょうか? いえいえ、れっきとした栄養満点の野菜ですよ。ヘチマは完熟すると繊維が固くなるため、天然素材のタワシとして活用されるのが一般的に知られていますね。沖縄では開花から二週間程の若い果実を食用としています。

多くの夏野菜に共通するように、ヘチマの成分の95%は水分です。固いタワシしか見たことのない人は想像できないと思いますが、ヘチマは熱を加えるとトロミのある滑らかな食感になります。

ヘチマに含まれる栄養素には、ベータカロテン、ビタミンC、カリウムがあります。また細胞の新陳代謝を活発にし、肌を美しく健康に保つ「ヘチマサポニン」と呼ばれる成分も含まれています。このサポニンは体内に入って、燃焼されなかった余剰カロリーが体脂肪に変わるのを防ぐ効果がある上、ヘチマは低カロリーなのでダイエットに最適な食材と言えます。その他にも、ヘチマの汁には鎮咳作用、去痰作用、解毒作用、血行促進作用があるため、昔から薬膳食材としても使われてきました。

ヘチマは食物繊維も多く含んでいます。整腸作用があり、腸内の善玉菌を活性化して、数を増やし、コレステロールや老廃物の排出を促します。血圧の上昇を抑える効果もあり、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病やがんの予防にも効果を期待できます。