赤ブドウとブルーベリーで免疫アップ

2013.9.18 EurekAlertより
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=41603&-lay=lay&-Find

オレゴン州立大学のライナス・ポーリング研究所の研究チームが、ヒトの自然免疫系を強化する能力がある化合物を探すため446種類の化合物を分析したところ、赤ブドウのレスベラトロールとブルーベリーのプテロスチルベン呼ばれる化合物が際立っていた。

スチルベノイドと呼ばれるこれら二つの化合物は、ビタミンDと相乗的に働き、免疫機能に関与しているヒトのカテリシジン抗菌ペプチドであるCAMP遺伝子の発現の向上に大きな影響を持つ。

実験は細胞培養を用いて行われたもので、食事摂取の結果として同様の結果は出ていないが、免疫応答を向上させる食品の可能性に注目が集まることになるだろうという。

オレゴン州立大学科学部のエイドリアン・ゴンバート准教授は「何百もの化合物のうち、この二つだけが突出していた。CAMP遺伝子の発現を高めるビタミンDとの相乗効果は、重要かつ魅力的だ。非常に興味深い関係である。」と述べている。

レスベラトロールは、心臓血管の健康向上・がんとの戦い・炎症の低減などあらゆる効果をめぐり、数多くの研究の対象となってきた。本研究は、CAMPの発現を増加させたビタミンDと相乗効果を示す初の研究である。

CAMP遺伝子自体も、身体の防御の第一線として細菌感染に対抗する能力を持つなど、”先天性”免疫系の重要な役割を果たしていることが示されており、多くの研究の主題となっている。先天性免疫応答は、多くの抗生物質がますますその有効性を失っているため、特に重要である。

十分なビタミンDレベルとCAMP遺伝子の機能に強い関係があることが示され、他の化合物も同様に効果がある可能性が示唆された。

スチルベノイドは感染症と戦うために植物が生成した化合物であり、ヒト生物学ではビタミンDがその機能を実行できるようにするシグナル伝達経路の一部に影響を与えるようだ。ビタミンDとこれらの化合物を組み合わせると、単体よりもかなりの生物学的影響を及ぼすと思われる。

今後の研究で、食事が免疫機能にどのような影響を与えるかについての理解を深めれば、先天性免疫応答を高めることができるような天然化合物を利用した治療の開発につながる可能性があるだろうが、今のところ生体への利用性に対する答えはまだ出ていない。傷や感染症のバリア防御を向上させるための局所使用となる可能性もあるかもしれないとのことである。

・LINK de DIETより抜粋
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=41603&-lay=lay&-Find