マレーシアレポート ~出産エピソード②~

「マレーシアレポート ~ラマダン(断食)とデーツ~」から3か月、無事8月に第二子となる男児をクアラルンプールで出産しました。今回は海外出産体験エピソード②をお届けします。

母乳育児の推進
私が出産した病院では、スムーズな母乳育児のために、母子同室が推進されており、出産後LDRで2時間程赤ちゃんと過ごした後、一緒に病室に移ります。日本の産院ではオムツから授乳の仕方まで丁寧に教えてもらった後に実践でしたが、こちらでは入院中に授乳指導のスタッフが回ってくれるものの、出産後いきなり赤ちゃんと二人にされてしまうので、初産の方は困ってしまうかもしれません。新生児室で預かってもらうこともできますが、授乳の時は病室に戻されます。出産の疲れもピークな中、母乳もすぐには出ないわ、赤ちゃんは泣きやまないわで母児同室も大変ですが、ミルクは書類にサインをしない限り与えられません。またミルクは新生児室でナースがカップで与えます。カップなのは、赤ちゃんが母乳と間違えないようにするためだそうです。
産後一日で退院するのが一般的なので、病院側は日本のようにスケジュールを組んで丁寧な指導をする時間がありません。日本の産後の入院期間の長さは世界的には珍しいのかもしれませんが、日本の産院での産後指導は注目に値するかもしれませんね。入院期間が長いことによる効果も知りたいところです。

病室には母乳育児に関するパンフレットが備えられています。
母乳の重要性が紹介されています。

産後ケア
約6割のマレー系、約3割の中華系、約1割のインド系を主要民族とする多民族国家のマレーシアでは、民族によって慣習も考え方も大きく異なりますが、産後の養生に関しては民族問わず認識が浸透しているようです。
出産後の回復がままならないうちに退院なので、母親はまだまだ助けが必要。産後ケアや赤ちゃんのお世話の仕方などは、家族が協力してくれるようです。身内にお手伝いが頼めない場合は、産褥アマさんという、産後専門の住み込みのメイドさんを頼む習慣もあります。
人懐っこく、親しくなくても気軽に話しかけてくれるマレーシアの人々。知り合いから見知らぬ人まで、妊娠中もいろんな人に話しかけられましたが、産後はアドバイスまで受けるようになりました。
インド系のメイドさんや保育園の先生には、足を冷やさないこと、水仕事をやめること。
中華系の知人には産後一か月の外出制限や、黄疸や乳児湿疹アドバイス。
マレー系のタクシー運転手からも産後の行動制限やマレー系が産後に受けるマッサージの勧めなどなど。
民族、性別問わず、皆、産後を十分注意すべき時期だと考えていて、産後に気遣ってもらえることに驚きました。赤ちゃんを抱いているだけで人が集まってきて、会話が生まれます。

写真:病院では赤ちゃんはいつも強めにきっちりくるまれていますが、これが落ち着くようです。

Reported by 菅原研究所 和田麻紀子