マレーシアレポート ~出産エピソード①~

「マレーシアレポート ~ラマダン(断食)とデーツ~」から3か月、無事8月に第二子となる男児をクアラルンプールで出産しました。今回は海外出産体験エピソードをお届けします。

日本で産むか、現地で産むか
海外出産には不安がつきものですが、私がクアラルンプールでの出産の選んだ決め手は24時間無痛分娩対応の総合病院が車で5分の場所にあったことにありました。 第一子は東京で陣痛促進剤を使っての計画無痛分娩で出産し、リラックスしたお産と産後の回復が早いことにメリットを感じたので、今回も無痛分娩で、可能なら自然な陣痛を待っての分娩が理想でした。現地の病院ではこれが可能とあって、現地での出産を選びました。 というのも、第一子の時の産院選びの経験では、東京でも無痛分娩が可能なところは数える程で、さらに24時間の対応が可能な病院となると麻酔医やスタッフの問題で2、3件ではないでしょうか。
マレーシアの場合、総合病院といっても、病院内に各医師が開業しているイメージで、患者は担当医を選んで受診します。 もちろん、担当医が対応できない場合のバックアップ体制はありますが、基本的には健診から出産まで同じ医師なため、より医師と患者の間に親近感、信頼感が芽生える気がします。

入院中の食事は、アジア、西洋、ベジタリアン、産後用の特別食メニューの中から選択。
こちらは朝食の定番、ナシレマ。

24時間麻酔対応を可能にする方法とは?
いよいよ39週で迎えた陣痛。21時頃病院に向かい、麻酔医を待つこと2時間。陣痛は着実に強まっていき、「もう耐えられない!」と悶えていた深夜12時、薄暗いLDRのカーテンが開き、ラフな格好の知らないインド系のおじさんが登場。自己紹介されるも返す余裕もなく、すぐに麻酔の処置が始まりました。そう、この方が麻酔医。10分後には痛みがうそのように退いていきました。
麻酔医は24時間「常駐」していると思っていたのですが、必要に応じて麻酔医を呼び出す体制のようでした。この体制、日本の産科でも取り入れたらよいと思いませんか。但し、早めに麻酔医を呼んでもらうことをおススメします。

胎盤を持ち帰る!?
現地での出産は、日本と比べても違和感のない医療技術と設備で、リラックスした理想の出産となりました。
印象的だったのは出産直後。助産師が袋に入った生々しい内臓のようなものを掲げ「持って帰る?」と。なんとそれは胎盤。助産師の話によれば、マレー系の人は胎盤を持ち帰ってきれいに洗い、庭の木の下に埋める習慣があるのだそうです。
産後は発熱してしまいしばらくLDRにいたのですが、病状の確認ではなく、胎盤を持ち帰るかを確認しにスタッフが何度も来たのにはあきれ笑い。本当か否か、胎盤を食べる説もあるようで…。

設備が充実し快適なLDR

Reported by 菅原研究所 和田麻紀子