日本から世界へ。超クールなエコバッグ

最近では海外のスーパーで買ってきたエコバッグがお気に入りのわたしですが、先日、従妹がfacebookに投稿した記事を見た瞬間、「ステキ!」

思わずいいね!を押し、シェアしました。彼女が紹介したのは、読み終わった新聞と糊だけを使って作ったエコバッグ。インストラクターが開催したワークショップに参加し、写真の3つを作って来たらしい。

従妹は商品デザイナーで、主にパッケージのデザインをしています。そういう意味ではプロだから、初めてなのにこんなスタイリッシュなバッグが作れたのでしょう。でもこれ、いいな、わたしにも作れるかしら?従妹に聞くと、このバッグは誰でも作れるそうです。器用な人も、器用でない人もそれなりに……。

あまりに気に入ったので、従妹の情報をたよりにバッグの由来を調べてみました。
このバッグの正式名称は「四万十川新聞バッグ」と言います。四万十川(しまんとがわ)は、高知県の西部を流れる川ですが、豊かな生態系と周囲の美しい自然の風景とともに、「日本最後の清流」と言われるほど、最も美しい川の一つとして有名です。

その自然環境を守りたいと思っていた地元のデザイナー、梅原真さんは、2002年、捨てられたプラスチックバッグで川が汚れないよう、「四万十川流域で販売する商品はすべて新聞紙に包もう」と提唱しました。その訴えに応えた地元の主婦、伊藤正子さんが2004年、「こんなのどう?」と新聞紙で作ったバッグを考案。それが四万十川新聞バッグの誕生です。

以来、四万十川新聞バッグは地元からじわじわと人気を集め、通信販売で購入することができます。商品の売上の一部は、四万十川流域の環境保全事業に活用されているそうです。素晴らしい試みですね。また、数年前からバッグの作り方を教えるインストラクター制度が開始されており、現在250人のインストラクターが全国各地でワークショップを開講しているようです。さらに、このバッグはすでにアメリカやイギリスの展示会などでも紹介されており、世界規模で認知されつつあります。

この新聞バッグが素晴らしいのは、一つには、日本語の「もったいない」と、日本人なら誰でも知っている折り紙の要素が入っていること。クールジャパンを見事に体現しています。もっといいのは、暮らしている町で読み終わった新聞紙を使って、誰でも自分でオリジナルのバッグを作ることができるところです。材料は新聞紙と糊だけ。破けるまで使ったら、また作ればいいじゃない。こうした「遊び心のあるエコ文化」が日本から世界に広がっていく様子を知って、ちょっとうれしくなった今日でした。

四万十川新聞バッグ ウェブサイト:http://shimanto-shinbun-bag.jp/index.html
(日本語のみ)

Reported by 菅原研究所 青池ゆかり