2013.10.31 EurekAlertより
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=42192&-lay=lay&-Find
主に胃から分泌されて脳の視床下部に作用するグレリンは飢餓ホルモンとして知られているが、肥満に関与するのはその量ではなく、グレリンと結合して分解を抑制する免疫グロブリンの親和性ではないか、という研究報告。
過度の食物摂取や体重増加の後、健康なヒトは体重を元に戻そうとして食べる量を減らす傾向にあるが、太りすぎているヒトでは努力をしても過剰な食物摂取を継続してしまうケースが多いと指摘されている。しかし肥満のヒトのグレリン濃度は標準体重のヒトの値と同程度であるか、より低い場合があるため、グレリンの量のみで肥満のメカニズムを説明することはできないと考えられていた。
抗グレリン抗体(グレリンと特異的に反応する免疫グロブリン)は、グレリンと結合することによってそれらの分解を防ぎ、食欲を増進させると示唆されたため、齧歯動物を用いてその機構を検証したところ、肥満のヒトやマウスの血液から抽出された免疫グロブリンとともにグレリンを投与したマウスの食物摂取量は増加していると確認された。反対に肥満でないヒトやマウスの血液から抽出された免疫グロブリンとグレリンの併用投与やグレリンの単独投与ではマウスの食欲が制御されて食物摂取量は増加していなかった。
肥満患者の血液に含まれる免疫グロブリンは、グレリンとの結合力がより強いため、分解されずに脳に輸送されるグレリンの量を増やして食物摂取を促進すると考察されている。
今回の調査結果は、過食症だけでなく拒食症に関する理解を深めるためにも役立つかもしれない、と研究者らは述べている。
・LINK de DIETより抜粋
http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=42192&-lay=lay&-Find