週末トレッキングに出かけませんか? ①

日本では近年、登山やトレッキングに人気が集まり、ちょっとしたブームが続いています。健康志向の高まりとともに、各地域での山道の整備が進み、スポーツ、アパレル、レジャー産業における商品開発とPRのおかげで、その人気は幅広い年齢層に及んでいます。

およそ20年間、専らインドアスポーツを楽しんできたこのわたしも、ごく最近友人に誘われて山登りを楽しんでみる気になりました。

都心に住んでいると、山行きは一大事のように感じていたのですが、友人は「朝出かけて夕方までに帰って来れるよ」というのです。しかも、週末や祝日、夏休みなどの期間中は首都圏を旅行する人向けにJRのフリーパスが販売されており、格安で出かけられます。このフリーパスは特定の関東エリアで1日乗り降り自由で大人2,600円。遠い距離を移動するほど旅費が割安になります。ちなみに、外国からの旅行者向けにはさらに便利な切符やパスがあります。
フリーパスの詳細はこちら→ http://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=1801

また、今回の登山では途中、こんな風に富士山が見えるというのです!日本の霊峰、富士を拝むことは常に日本人のあこがれです。折しも富士山は世界文化遺産に登録されるとあって、富士山への登山者もこれからさらに増えると思われます。もっとも、富士山は登るよりも見る方がステキだと思いますが。

そんなわけで、ある晴れた祝日、ついに登山デビューを果たしました。
登った山の名は九鬼山。山梨県大月市にある標高970mの低山で、大月市が観光および自然保護を目的に指定している12の山域(秀麗富嶽十二景)の一つです。当日の天候次第ですが、運が良ければ、トレッキングを楽しみながら富士山の美しい姿を見ることができます。

最寄りの駅から登山口まで15分歩き、そこから山頂までは2時間、山頂でランチ休憩し、別のルートで下山。トレッキングに費やした時間は4時間ほどでした。低山なら初心者にも優しいと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。山道はわかりやすいものの、道幅は狭く、山全体のサイズが小さいため、登りも下りも急こう配の道が続きます。ベテランの友人が常にリードしてくれたため、なんとか進むことができましたが、山登りは自然と向き合うこと。苦あれば楽あり、楽あれば苦ありの道のりを堪能しました。

近頃では便利なことが当たり前のように思いますが、山に登っている途中、頼れるものは自分だけ。手と足、目や耳などの五感を総動員し、体力をコントロールしながら歩いていきます。前に進むことに必死でよく覚えていませんが、険しい道を進んでいるときはかなり緊張していたと思います。一方、道が緩やかになると、木漏れ日が注ぐ新緑の世界に佇んでいることに気づきます。生きている木や草の匂い。足元には可愛い野の花が咲いています。

今回は友人がこまめに休憩を取り、水と糖分、アミノ酸を補給しながら歩いていったので、不思議にも翌日筋肉痛はまったくなし。また、たっぷり汗をかいた後の山頂では体が冷えて寒く感じます。ランチはお湯を沸かして持参した汁そばと食後にコーヒーをいただきましたが、格別のお味でした。山登りを楽しむにはきっとコツがあるのだと思います。

このように、東京周辺には日帰りで山登りを十分に楽しめる場所がいくつもあります。わたしは今回の山デビューですっかりトレッキングの虜になってしまいました。少々体力は使いますが、自然の中を歩くことは心身の健康など得られるものが大きいので、お出かけになることをお勧めします。

次回は、トレッキングの効用と初心者用のグッズについてお伝えします。

Reported by 菅原研究所 青池ゆかり