University of Darma Persada ②

わたしの講演にも、すごく興味を持って真剣に聞き、質問も多く、質疑応答の30分もあっという間に過ぎてしまうほどでした。 特に炭水化物の米、パン、砂糖水の同じカロリーでも吸収が早いものほど血糖値は上がり下がりのカーブが急で、食物繊維の多いご飯、多い玄米は血糖値カーブがゆるやかで、その分集中力も長くキープできるし、空腹もこない。また血糖値カーブがゆるやかなほど、インシュリンも節約できて、糖尿病にもなりにくい。という話をしました。

ところがこのインシュリンの出過ぎから、ついにはインシュリン不足で起こる糖尿病がこの国ではすごい深刻な問題で、病気の一番深刻な問題になっているらしく、その質問が多数ありました。 イスラム教が人口の9割近いこの国では、お酒を飲まない代わりにジュースやお茶にはかなりのお砂糖が入っていて、砂糖の輸入量は大変な額に登るそうです。 実際に子供は小さい時から甘いお茶をのんでいるので、小児糖尿病すら年々増加傾向にあるそうです。

今のインドネシアはちょうどGDPが年率6パーセントを超える成長率を達成し、今まで貧困だったクラスから、中流にシフトする人々が年々増加しています。昨年末の平均給料の増加は40パーセントだとか。このような経済成長は、ジャンクフードをファッションとして取り込むことに直結するので、肥満や、糖尿病が増加するサインでもあるのです。私もその点を強調しておきました。 そして高度成長は大衆の子供への教育投資への情熱をも火をつけることに直結しているので、その分、社会全体の子供達の楽しい昔の遊びがなくなり、塾長の隙間のゲームがはやって、肥満児が増加することにもつながります。ジャカルタ、バリ島のあちこちに公文の看板を見たのも印象的でした。

学生たちの活発な質疑応答と、好奇心は今の日本の大学に一番不足しているもので、これらの親日的な若い人々が、今後日本と関係のある企業や教育などに参加して日本にも活気と笑顔を与えてもらえると素晴らしいと、ふと思いました。

オロアン学長は今年から、さらなるグローバル化の波に遅れないために全学の学生が英語、日本語を2年で習得し、3・4年の専門教科でも最低限2教科は外国語で受け、テストに受かって卒業するカリキュラムをスタートすると、宣言し、始めています。日本の大学でいうなら、英語、中国語をマスターし、専門教科も外国語で受けて卒業ということです。

実際に今後の社会ではそのぐらいの強烈な厳しい勉強をしてこないと第一線では働けない時代になるということでしょう。 オーストラリアで小学校から高校生まで日本語が必須科目になったとのとも、共通点があります。インドネシア、ダルマプルサダ大学から日本の大学が学ぶべき点はまずここにあるとも言えるでしょう。