マレーシアレポート ~ラマダン(断食)とデーツ~

マレーシアのイスラム教徒(以下、ムスリム)は7月10日から8月7日までのラマダンに断食を行います。

ラマダンとは、イスラム暦の9月のことで、この月の暁から日没までの間、ムスリムは一切の飲食を絶ちます。暁というのは、太陽が昇る前、この時期のクアラルンプールでは大体5時45分頃。この暁前に、早い朝食を済ませ、19時30頃の日没まで飲み食いすることができません。街中のマレー系の屋台やレストランは日中は店を閉め、日没とともに営業を再開します。

食べ物ならまだしろ、水さえ飲んではいけないというのが驚きです。例えばプールに入って誤って水を飲んでしまっても、その日の断食が無効になってしまうため、ラマダン中はプールに入るのも控えるそうですよ。

断食期間は痩せてしまうのではないかと思って知人に聞いてみると、日没後に長々と夕食をとり、また翌朝、といっても暗い暁前に日中の分までしっかりと朝食をとるので、思うほど痩せないそうです。そして断食明けのお祭り、ハリラヤ・プアサで太ってしまうのだとか。

さて、この時期、スーパーの店頭を飾るのはデーツ(なつめやしの実)。日没後に、まずはデーツを食べるという習慣があるためです。このデーツ。日本ではあまり馴染みがありませんが、干し柿のような甘い実で、カリウム、鉄分、カルシウム、リン、マグネシウムなどミネラルが非常に豊富で、また便秘に効くペクチンなど食物繊維の宝庫でもあります。

貧血や便秘気味の人、妊娠中の女性、ダイエット中の人には持ってこいの食べ物で、妊娠中の女性がデーツを毎日食べると、丈夫な赤ちゃんが生まれるといわれるのだとか。

かくいう筆者はただ今妊娠9か月。9か月になるまでこのデーツのパワーを知らずに過ごしてしまいましたが、産褥期、授乳期にかけてもこのデーツはきっと活躍してくれるはず。今後、早速、朝食にデーツを取り入れてみようかと思っています。

ラマダンとデーツ、そして妊婦の話をしてしまったので、少し心配になった方もいらっしゃるかもしれませんが、妊娠中、授乳中の女性はラマダン中の断食の義務は免除されていますのでご安心下さい!旅行中や、高齢、病気で断食することが難しい状況にある人も、ラマダン中に断食をしなくてもよいとされています。但し、後日断食できる状態になった時に断食しなかった日数の埋め合わせをしなくてはなりません。

さて、私にとって第二子となる今回は、クアラルンプールで出産予定です。第一子は日本で出産しましたので、私なりに日本の出産、育児事情とも比較しながら、現地レポートをしていけたら面白いかなと思っております。どうぞお楽しみに。

Reported by 菅原研究所 和田麻紀子