マレー結婚式 Part2

マレーシアレポート
~ 結婚にかかる費用はおいくら? ~

今回は、マレー式結婚披露宴のレポート に興味をお寄せいただき質問があった、
「マレーの結婚式っていくらぐらいかかるの?」をテーマにお届けします。

日本の結婚式もとてもお金がかかりますよね。あるウェディングサイトによると、平均で約300から350万円(招待人数 約80人の場合)もかかるそうです。でも、日本の場合はご祝儀がありますから、カップルの負担は平均で100万程度だとか。

それではマレー式の場合はおいくらぐらいでしょう?
結婚を決意した男性がまず直面するハードルが婚資金です。婚資金は男性から女性に贈る現金で2種類あります。ひとつは、イスラム法の結婚契約式で男性が女性に支払う結婚契約金で、これは州によって金額が定められています。例えば、クアラルンプールでは初婚であれば80RM(約2,500円)、再婚の場合は40RM(約1,250円)です。


写真提供:2012年にマレー人とパハン州で結婚契約式を行った日本人女性、サフィアさん(ムスリム名)。 契約式の誓いの言葉で契約金額(22.5RM)も読み上げられるそう。お金は封筒ではなく、綺麗に飾って贈られる。
もう一種類のお金は、法的に定められているわけではありませんが、伝統的に新婦側で催される披露宴の資金にするために贈られる現金。大体10,000RM(約31万円)位からが相場のようですが、新婦が高学歴だと女性側の家族によって高額に設定される場合があるようです。

2012年の男性の平均給与月額が1,906RM(約6万円) ですから、男性側にとっていかに負担の重いものであることがわかります。


(出所:The Malaysian Insider http://www.themalaysianinsider.com/malaysia/article/for-young-malay-couples-an-increasingly-high-price-to-getting-wed

さて、結婚披露宴は新郎側、新婦側と2回、実家の田舎で行われるのが一般的です。披露宴を行う地域、家か会場か、ケータリングサービスの利用の有無でもトータルコストは異なってきますが、一般的には少なくとも20,000RM (約62万円)はかかります。
日本の場合、ゲストからのご祝儀がいただけて、相場も決まっているので計算できますし、実際ご祝儀で披露宴費用の多くを賄うことができますが、マレー式の場合は招待客が500から1000人と多い上にプレゼントが主流です。
「う~ん、現金の方が有難いのではないかな」と余計な心配をしてしまう外国人の私です。

DEPARTMENT OF STATISTICS, MALAYSIA, SALARIES & WAGES SURVEY REPORT Malaysia 2012, http://www.statistics.gov.my/portal/download_Labour/files/BPTMS/Salaries_and_Wages_Survey_Report_2012_11092013.pdf


写真提供:サフィヤさん(ムスリム名)。 村(kampung)で行われる結婚式の様子。披露宴で供される牛は一頭3,000RM程(約9万円) 日本人にとってはどこか懐かしい、古き良き共同体の風景がここに?

尚、マレー系の離婚率は、人口構成ではマレー系は6割強ですが、全離婚件数でマレー系が占める割合は8割強と、意外にも中華系やインド系に比べて高くなっています。
結婚にまつわる費用が新生活の足かせになって、新生活が借金からのスタートになってしまうカップルも少なからずいるようで…。「結婚はゴールではなくスタートである」の教訓は世界共通といえそうです。

Reported by菅原研究所 和田麻紀子