ミニトマト水耕栽培実験⑳ 日当たりのいいミニトマトは

ミニトマトの成長にはそれぞれ個性があります。茎が太いものや細いもの、葉の広がり方や色の濃さなどです。しかしこれらは、栽培方法によるものでしょうけど。
前回は、枯れ始めたミニトマトを紹介しました。冬場に暖房を使用した部屋で育てられたミニトマトです。今回は、暖房を使用していませんが、日当たりのいい場所で育てられたミニトマトについてです。

光の影響で明るく映りすぎているためわかりにくいですが、過去に最もしっかりと成長しているミニトマトと紹介したものになります。成長過程は順調で、ミニトマトも数多く実っています。大きさも大きくしっかりとしています。そして、日当たりが良いため他よりも早く成長していました。

枝は若々しい緑色ではなく黄ばみがかっています。しかし、実りの状態は良いでしょう。

これから赤く色づいてくるミニトマトもあります。葉はみずみずしさを失っていますが、ミニトマト自体はみずみずしく張りもあります。このように全体の成長は止まっているもののミニトマトはしっかりとしたものが実っています。まだまだ収穫できるように思います。

ミニトマト水耕栽培実験⑲ 成長の勢いはピークを越えました。

ミニトマトの収穫状況は依然として数は増え続けています。しかし、冬場から暖房を使用した部屋で育てたミニトマトは、ピークを越えました。

実は赤く色づいていますが、葉は色あせ枯れてしまっています。ハダニもミニトマトに元気があった時に比べると少なくなっています。葉は枯れてしまっていますが、緑の実はあり、他のミニトマトも赤色へと向かっています。今までと異なる点と言えば、赤く熟したトマトの色が今までよりも濃くなっているように思えました。実の成長は依然として続いています。

全体を見るとわかりますが、痩せてしまっています。水の減り方も遅くなってきました。ほとんど減っていないようにも見られます。

対象物として、元気のあるミニトマトです。成長期間は同じですが、冬や春の寒い間も暖房を使用していない部屋で育てたものになります。成長は緩やかですが、このように力強くしっかりとした緑色をしています。

ミニトマト水耕栽培実験⑱ 連休明けのミニトマト

ゴールデンウィークの前半が終わりました。その間、ミニトマトの手入れができなかったためその様子が気になります。まずはその日の収穫されたミニトマトを見てください。

4月30日に収穫されたミニトマトです。前回に比べると収穫できた数が少ないように感じられます。写真に写っている数は少ないのですが、実際の数は前回と同じくらいかやや多めとなりました。その理由は以下の通りです。

1つ目は、連休中の間に収穫できなかったミニトマトの一部は落下して床に落ちていました。これは冬場に暖房を使用して育てたミニトマトにみられます。原因としては、成長のピークを過ぎたこのミニトマトの枝がミニトマトの重さを支えきれなかったために落ちたと考えられます。ピークを過ぎたとはいえ、まだ青い実を付けるなどミニトマトが実っています。

2つ目は、収穫のタイミングが遅かったためミニトマトの実が割れてしまった事です。このようなミニトマトがいくつもありました。写真ではその一部を紹介します。

3つ目は、ハダニなどに侵されたしまったミニトマトです。基本的に手を加えずに育てるという事で、ハダニの駆除は極力行わないようにしてきました。しかし、その繁殖力の強さからあっという間にミニトマトの葉や実を浸食していきます。そのため、一部のミニトマトでは葉を取り除いたり、ハダニのいる葉や実を水で洗うなどして駆除を行ってきました。

写真のミニトマトは駆除を極力行わないで育てたミニトマトになります。黄色く模様のように出ているミニトマトが害虫にやられたミニトマトです。室内で育てているミニトマトなので農薬を使用せずハダニなどの害虫駆除を行う良い方法が見つかりませんでした。

このような理由より、収穫数は多いものの実際にきれいな形で収穫できたミニトマトは少なくなってしまったのです。

ミニトマト水耕栽培実験⑰ 春の収穫状況

4月に入り暖かくなることで、トマトの成長も勢いを増してきました。実のなるトマトが多く4月下旬には多くのミニトマトが収穫されています。今日はその収穫状況をお伝えします。

こちらは4月22日に収穫されたミニトマトです。
これまでにもほぼ毎日収穫できているのですが、数が少ないためまとまって収穫ができるようになったこの日から紹介します。

全体的に大きさは一般に売られているミニトマトより一回り程度小さいものになります。中には大きいものもあるのですが、数は少なめです。これは品種の違いだと思われます。味は以前に紹介した時よりも酸味が少なくなっているように感じました。みずみずしさがあり美味しいミニトマトでした。

こちらは4月26日に収穫されたミニトマトです。全部で50個ものミニトマトが収穫できました。22日に収穫したミニトマトより粒の大きさはやや大きくなっているものの大きな変化はありません。一番右に写っているミニトマトは、2つのミニトマトが1つにくっつきながら成長したものになります。これまで収穫してきてこのようなミニトマトは初めてでした。

まだまだ収穫のピークを迎えている様子はありません。これからもどんどんと収穫できるでしょう。

天日による栄養価向上のナゾ―日本の乾物 ⑤

これまで、日本の乾物について、歴史やエピソード、特徴など、様々な観点から書いてきましたが、今回はいくつかの食品について、生の状態と乾物にしたときの栄養の変化に注目してみたいと思います。

生の食物と乾物との違いは、何か?生の食べ物を一定時間天日にさらすことから、乾物は明らかに水分量が減ります。水分が減った分、栄養素がその食品の中に凝縮されるため、同じグラム数で比較した場合、乾物は生の食物よりもエネルギーやタンパク質、ミネラルなどの栄養成分を多く含むことになります。では、生と乾物の違いは、単に水分が減っただけなのでしょうか?

上の表は、生と乾物の栄養成分を比較したものです。
それぞれ、生と乾物とで水分量が異なること、そして水分が減っただけではない変化が起こっていることがわかります。
特に太字の数値に注目してください。例えば、わかめ。乾燥わかめは水分が減った以上にカリウムとカルシウムが増加しており、食物繊維も大幅に増えています。さらに、大根と切干大根を比べた場合はミネラル、ビタミン、食物繊維のすべてについて乾物の栄養成分が水分の差を大きく上回っています。干し柿も、生では渋くて食べられないものが、干すことによって、甘く、美味しく、ミネラルが豊富で、食物繊維がたっぷりの美容食に大変身です!

上の表には示されていませんが、アミノ酸や核酸などの旨み成分は明らかに乾物の方に多く含まれています。
例えば、鰹節にはおいしいだしのもと、旨み成分のイノシン酸が豊富に含まれていますが、生きている状態の鰹には存在しない物質です。鰹の死後、筋肉中の酵素が働いてイノシン酸が作られるのですが、そこで水分を抜き加工することによって、鰹節に多くのイノシン酸が含まれるようになります。

また、東洋医学では食物を、体を冷やす「陰」と体を温める「陽」のタイプに分類し、それらを適切に摂取して健康に導く方法を説いています。日の光をたっぷり浴びた乾物は、ほとんどが「陽」または「中間」の性質を持つため、新陳代謝を高め、抵抗力の向上に役立つ食物なのです。「冷えは万病のもと」と言いますが、陽性の食物は風邪やがんの予防にも効果があるとされています。

冷蔵・冷凍技術など、生の食物を保存する手段がなかった時代、人々は知恵を絞り、太陽光などの自然エネルギーを利用して乾燥させ、食物を保存することで食べ物が手に入らない時季の食生活を支えてきました。そして、これら先人の生きる知恵が生んだ乾物は、保存食以上の価値を今の私たちに伝えています。

このように、乾物は単に食品から水分を差し引いたマイナスの産物でなく、数多くの栄養成分、旨み成分が備わったプラスの産物です。自然のエネルギーをたくさん含んだ、ヘルシーで安全で美味しい食材、乾物に関心を持っていただき、毎日の食生活に活かしていただければと思います。

Reported by 菅原研究所 青池ゆかり

お国自慢・味自慢―日本の乾物 ④

ほぼ全世界で食べられている、人気の食べ物といえば、麺。欧米では、スパゲッティーなどイタリア発祥のロングパスタ、アジア全域では中国発祥のさまざまな中華麺があります。日本人は世界有数の麺好きで、近年ではパスタやラーメンも人気が高いのですが、日本古来のそばやうどんは、江戸時代から人々に愛され続けています。
お店で食べるそばやうどんは生めんですが、家庭で作って食べるのはほとんどが乾麺です。

そばやうどんの原型は奈良時代頃より存在していましたが、現在のように細長い麺の形で食べるようになったのは江戸時代以降です。江戸ではそばやうどんは屋台メニュー、今でいうファストフードでした。屋台では、茹でた麺に鰹節、昆布などでとった「だし」に醤油やみりん、砂糖で作った「かえし」を加えた「めんつゆ」をかけたものが売られていました。

いまや、そばもうどんも日本全国にありますが、概して中部地方を境に東日本ではそばが、西日本ではうどんが好まれています。そばの主な名産地は、長野県(信州そば)、岩手県(わんこそば)、新潟県(へぎそば)で、うどんの名産地は香川県(讃岐うどん)、秋田県(稲庭うどん)、愛知県(きしめん)です。名産地でいただくそばやうどんのお味は格別で、観光の目玉となっています。

同じく穀類の乾物として、麩があります。麩は小麦粉から抽出したグルテンに粉を混ぜて茹で、焼いたり揚げたりしたものです。お吸い物に入っている小さくてかわいい手まり麩から、車輪型の車麩、揚げパンのような油麩など、様々な形のものがあります。
麩は14世紀頃中国から伝わりましたが、グルテンを多く含む食品であることから、肉や魚を食べない禅僧たちのタンパク源として、精進料理に使われるようになりました。

麩の代表的な名産地は山形県(板麩)、新潟県(車麩)、宮城県(油麩)などで、煮物や炒め物、汁など様々な料理に使われます。麩自体に味はありませんが、タンパク質が豊富な健康食品であることに加え、スポンジのようにスープや調味料の味がしみ込んで、とっても美味しくいただける食材です。

上の二つの写真はいずれも野菜の乾物です。左は干瓢(かんぴょう)。ウリ科ユウガオの果実をひも状に剥き、乾燥させたものです。食物繊維とミネラルを豊富に含み、低カロリー。昔はお寿司屋さんで「海苔巻き」といえば、この干瓢入りの巻きずしを意味したほど、メジャーな寿司ネタでした。今では「干瓢巻き」と呼ばれています。甘辛く歯ごたえのある食感がお寿司にとても合う干瓢は、ちらしずしにも欠かせない食材です。江戸時代、大阪から栃木に本拠を移した大名が栽培を奨励し、以来、干瓢は全国の8割を生産する栃木県の名産品となっています。

写真右は切干大根。冬に収穫した大根を細く切って天日にさらして乾燥させたものです。食物繊維とミネラル、ビタミンB1、B2が豊富な健康食品です。生の大根の栄養分を凝縮した切干大根は、生の野菜が採れない時季の食糧として重要なものでした。水でもどして油揚げなどと煮て食べるのが一般的です。大根の生産量が多く、冬になると山から吹き降ろす冷たい風が生産に適していることから、切干大根は宮崎県の名産品で、全国の9割がここで作られています。

このように、日本の乾物は太陽を浴び、水分が抜けて栄養成分が凝縮された天然のサプリメントです。日本には、ブログで紹介したもの以外にもたくさんの乾物食材があり、いずれも先人の知恵によって加工された伝統食品です。見た目はとても地味ですが、旨み、食物繊維、ミネラルを豊富に含み、低カロリーの食材なので、ストレスや肥満、生活習慣病が気になる人はこれらの食材を採り入れてみることをお勧めします。

Reported by 菅原研究所 青池ゆかり